障がい者グループホームは地域の社会資本(インフラ)です
会社員を辞めて障がい者グループホームの運営に挑戦する方から依頼を受けました。神戸市の主要駅徒歩圏でとても良い物件が見つかったのですが、「本当に利用者さんが入るだろうか?」と不安になり入居申込に踏み切れないようでした。
会社員を辞めて大きなお金をかけて始める事業です。家族の生活もかかっています。どんなに石橋をたたいてみても不安になる気持ちはわかります。私も会社を辞めて事業に専念しましたので、会社を辞める時の不安は痛いほどわかります。
このエリアは物件価格が高いので障がい者グループホームは少ないのです。人口密集地なので入居希望者(利用者)は多くいわゆる需給バランスは大きく崩れています。この物件は築古ですが室内はリフォームしてあるのでとても快適に生活できるでしょう。ここで開業すれば成功は間違いないと思います。しかし貸す側の私がいくらこの物件は良いと強調してもセールストーク、いえ営業圧力と受け取られるでしょう。
そこで「地域の障がい者さんの相談を受けている相談員さんに地域事情を聞きにいきませんか?」と提案し地域の障がい者支援相談センターを訪ねることにしました、そしてそこで聞いた相談員さんのお話はとても深刻なものでした。
神戸主要3区といわれる中央区、灘区、東灘区は人口密集地で人口も増えています。六甲山と海の間の平地は狭く住宅適地は限られています。そのため地価(家賃)は高く障がい者グループホームを作るのはとても難しいエリアなのです。加えて土砂災害警戒区域や浸水警戒区域には戸建ホームを作ることができない規制があるため適地は更に狭まります。これがこのエリアに障がい者グループホームが少ない理由です。
「自分たちが元気なうちに障がい者グループホームに入居させて自分たちがいなくなった後でも心配なく生活が出来るようにしておきたい」そうおっしゃるご両親は多いそうです。しかしこのエリアは障がい者グループホームが少なく、しかたなく遠くのホームに入ることになるそうです。年を取ると遠方では会いに行きにくくなるので・・・、とても切実な声でした。
相談員さんたちは口々に「このエリアに障がい者グループホームを作ってください」とおっしゃいました。ある相談員さんは「障がい者グループホームは地域の資産(インフラ)です。」とまでおっしゃっていました。
このお話を聞いて依頼者さんは「普通の事業でこれほどまでサービスを提供してくれてありがとうと言われるだろうか?」と感激し、「地域の方の期待に応えられるサービススキルを身に付けなければ」と迷いはなくなったようでした。
私も障がい者グループホームの賃貸物件探しのお手伝い事業が地域の福祉に役立っているのだなとうれしく思うと同時に責任を感じた次第です。
神戸市灘区、東灘区、中央区で障がい者グループホーム事業に挑戦される方はいませんか?物件探しで苦労すると思いますがグルホサポートがお手伝いをしますのでご安心ください