障がい者グループホームにも総量規制へ|制度の仕組みと今後の影響を解説
制度の基本と、これから開設を考える方が知っておくべきポイント
障がい福祉サービスの事業所を開設したい方、あるいは現在サービスを利用している・これから利用を検討している方にとって、「総量規制」は気になるのではないでしょうか。
総量規制とは、地域における障害福祉サービスの供給量を行政が調整する制度です。
この制度が導入されると、希望してもすぐにサービスを利用できなかったり、事業者側では新規開設や定員増が難しくなるケースが出てきます。
近年、令和8年6月の臨時報酬改定に合わせて、障がい者グループホームにも総量規制が導入されるのではないかという観測も流れており、事業計画を立てるうえで無視できないテーマとなっています。
本記事では、障害福祉サービスにおける「総量規制」とは何か、その基本的な仕組みから、事業者・利用者それぞれへの影響について、できるだけ分かりやすく解説します。
総量規制とは、都道府県や政令指定都市、中核都市などの行政が、地域内における特定の障害福祉サービスの“量”を制限する仕組みです。
具体的には、以下のような方法でサービス供給量がコントロールされます。
◇ 新規事業所の指定を行わない(いわゆる「指定拒否」)
◇ 既存事業所の定員増加を認めない
つまり、「需要があるから」「空き物件があるから」といった理由だけでは、必ずしも事業所を増やせるわけではなく、行政が定めた計画の枠内でしか事業が認められないという制度です。
総量規制が導入される背景には、主に次のような目的があります。
① サービスの質を維持・向上させるため
事業所が短期間に急増すると、人材不足や運営体制の不安定化につながり、サービスの質が低下するおそれがあります。総量規制は、こうした事態を防ぐ役割を持っています。
② 地域ごとの需要と供給のバランスを取るため
特定のサービスだけが過剰に増えると、地域全体として歪みが生じます。行政は「本当にその地域に必要なサービス量かどうか」を計画的に判断しています。
③ 財政面のコントロール
障害福祉サービスは公費が大きく関わる制度です。無制限に事業所が増えると、自治体の財政負担が急増するため、一定の歯止めが必要とされています。
総量規制は、各自治体が策定する
「障害福祉計画」や「障害児福祉計画」
に基づいて運用されます。
具体的には、次のような場合に新規指定が難しくなる可能性があります。
◇その地域における「利用定員総数」 が、計画で定められた 「必要利用定員総数」 にすでに達している場合
◇新たに事業所を指定することで、
◇計画上の定員数を超えてしまうと判断される場合
◇その他、計画の達成に支障が生じるおそれがあると行政が判断した場合
重要なのは、行政ごとに判断が異なるという点です。
「隣の市では開設できたのに、こちらでは難しい」というケースも珍しくありません。
現時点では、障がい者グループホームに全国一律の総量規制がかかっているわけではありません。
しかし、自治体によってはすでに独自の判断で新規開設や定員増に慎重な姿勢を取っているところもあります。
今後、制度として明確化されれば、
◇事前協議の重要性がさらに高まる
◇エリア選定が事業成否を左右する
といった状況になることが想定されます。
総量規制が強化される可能性があるからこそ、
これから障がい者グループホームの開設を検討する場合は、
◇自治体の計画内容を早い段階で確認する
◇物件探しと並行して行政との事前相談を行う
◇「開設できるエリアかどうか」を冷静に見極める
といった準備が、これまで以上に重要になります。
グルホサポートでは、障がい者グループホーム向けの物件選定や、開設を見据えた事前段階のサポートも行っています。
「このエリアで本当に開設できるのか?」
「物件を押さえる前に何を確認すべきか?」
そうした疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。
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